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昭和12年学会
趣意書
会長 宮脇淳子
この度、「昭和12年学会」を有志によって立ち上げる運びとなった。本会は、昭和12年(1937年)に、
我が国と世界で起きた歴史事象の研究、並びにその研究者相互の協力促進を目的とする。
昭和12年は、日本にとって運命の年であった。支那事変(戦後は日中戦争とも呼ぶ)がこの年に始まる。盧溝橋事件、通州事件、上海事変、正定事件、南京事件はすべてこの年に起きたものである。
大東亜戦争(戦後、太平洋戦争と言い換えられ、最近ではアジア・太平洋戦争という造語もある)に日本が負けたあと、「戦後歴史学」の通説は、戦前の日本が、善良な国民ばかりの中国を侵略した悪逆非道な国家だったと規定するかのような傾向がある。いまだに多くの日本人が、日本は侵略国家だったと思っているようだが、それは果たして学術的検証の結果であろうか。
本来、歴史学が目指すべき歴史とは、さまざまな立場で書かれた史料のあらゆる情報を、筋道立てて一貫した論理で説明してみせることである。また、当時の時代背景を再現し、そこで生きた人々の気持ちを理解し想像できるようにすることである。
本学会は、日本史と世界史という縦割りの区分を取り払うだけでなく、既成のさまざまな学問、たとえば歴史学、政治学、法学、経済学、軍事学、社会学、心理学、哲学などの専門分野の枠組みを超えて、昭和12年に起こった諸事件について、真実を追究することを目標とする。
本学会は、専門分野の異なる学者たちが、イデオロギーにとらわれない公平・公正な研究により、切磋琢磨して公論をつくっていくことを、全力で応援するものである。
平成30年6月6日
宮脇淳子
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