昭和12年学会
書籍紹介「1937年の世界史 別冊『環』27」
◎西暦1937年は昭和12年である。日本史における昭和12年は、7月7日に「支那事変」の始まりと言われる盧溝橋事件が起こった運命の年である。
◎7月11日、日中両軍は停戦協定を結んだが、7月29日通州事件、8月13日第二次上海事変と事態は進み、9月2日には、宣戦布告を行なわないまま、日本政府はそれまでの「北支事変」を「支那事変」と改称した。
◎1937年が日本同様、運命の年であった国と、転換点はその前あるいは後だった国あるいは地域の両方があるけれども、われわれは、そのあとの歴史を知っているために、神のような視点に立たされる。あのときそういうことをしなければ、こんなことにはならなかったのだ、と85年前の世界を鳥瞰するのは、歴史家として大変スリリングな経験である。過去の真実を知ることが、今日の世界を理解するのにいかに役立つか、本書を読めばおわかりいただけると思う。
(「序」より)
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1937年の世界史 別冊『環』27
<基礎情報>
出版社 :藤原書店
初版発行日:2022年9月30日
著者 :倉山満・宮脇淳子 編
執筆者=江崎道朗/小野義典/柏原竜一/倉山満/グレンコ・アンドリー/ポール・ド・ラクビビエ/内藤陽介/樋泉克夫/福井義高/峯崎恭輔/宮田昌明/宮脇淳子
単行本 :208ページ
<帯紹介文>
「1937年」という歴史の断面から、学際的探究の土俵をつくる!
盧溝橋事件から支那事変、ゲルニカ空爆(スペイン内戦)、大粛清…
断面から世界史を俯瞰する!
日本/満洲/モンゴル/中国/ソ連/東欧/ハンガリー/イギリス/フランス/ドイツ/バチカン/イタリア/スペイン/メキシコ/アメリカ/パレスチナ
<目次>
[序]
歴史の断面から世界を俯瞰する
宮脇淳子
[総論]
世界史の中の昭和十二年
倉山 満
[満洲、モンゴル]
満洲国の内政と四つのモンゴル【日本における「満蒙」とは何だったのか】
宮脇淳子
[中国]
京劇を通して見た庶民の「反日」【梅蘭芳と一九三七年の中国】
樋泉克夫
[ソ連]
大粛清が始まった年
福井義高
[東欧]
全体主義大国の間に挟まれた東欧
グレンコ・アンドリー
[ハンガリー]
その後の命運を分けたのは何だったか【国内外からの影響力を考察する】
小野義典
[イギリス]
国際的緊張緩和と民族融和を模索した帝国
宮田昌明
[フランス]
手遅れになった年【ナチス占領前夜の政治的停滞と仏日関係】
ポール・ド・ラクビビエ
[ドイツ]
ナチス体制下のドイツ【情報史の観点を中心に】
柏原竜一
[バチカン、イタリア]
バチカンの苦悶と抵抗、イタリアの驕りと選択
峯崎恭輔
[スペイン、メキシコ]
スペイン内戦、満洲国、メキシコ
内藤陽介
[アメリカ]
アメリカ共産党の反日工作
江崎道朗
[パレスチナ]
英委任統治領パレスチナとピール分割案【その歴史的背景】
内藤陽介
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